本レビュー「読みの整理学(1983)」「思考の整理学(1986)」外山滋比古/ちくま文庫

本レビュー「読みの整理学(1983)」「思考の整理学(1986)」外山滋比古/ちくま文庫

世の中に出回っている本のうちどれだけの本がこの2つの本の影響を受けているのだろうか。何かを学習しようとしている人、そしてアイデアをまとめようとしている人によんで欲しい2冊をご紹介。


昨日の電子書籍の話は、フリでした(笑)それにしてはかなり時間かけてかいたのだけれども。
恥ずかしながら2冊とも数年積んでた上に「思考の整理学」に関しては2冊アッタヨ…ということで、読む気だけはあって、読めていなかった本なのだけれども、何にびっくりって、過去にもっと新しい年代の別の人の本で同じ内容の何冊か読んだことあったこと(笑)

え?そんなの思い違いじゃないかって?うち1冊は2000年代発行の本なのだけれども、デジタル化した本の中にあったんだよね…。しかも一部分を切り取った感じで、内容薄かったんだけど…。
確かにポップな表紙とキャッチーなタイトルでつかみはそっちのがよかったから先に読んだけど、丸パクじゃね?みたいな。タイトルは敢えて申し上げませんが。
他にも一部分の考え方が含まれている、割と若い方の本も何冊かみたことあるなと思ったりとか。

まぁ本を書くような人は外山滋比古先生の本読んでるってことだねw

ところで、外山先生のお名前は、中学時代に行っていた塾の先生に別の本だけどもらったことがあったり、入試問題の定番だったのか塾の問題集にはよく出てきていた記憶があって存じていて、中学生当時の印象で既に結構お年なんだろうなと思いつつWikipediaをみたら、2018年1月現在94歳ご存命なのにもちょっとびっくりしたけれど、さらに驚いたのは2017年にも本を出していた。
昨日の記事のとおり150冊あるからそれを先に消化したいところだけど、ちょっと気になっている。

さて、内容としては、この2冊では重複する内容があったりするし、話の方向性も大体一緒なのだけれども、
「読みの整理学」はこれから何かを学ぼうとしている人向け。個人的には、中学生のころに読みたかったなっておもうので、そのお年頃のお子様や学生さんは是非読んだ方がいいと思う。電子書籍版が無いのがネックではあるのだけれども。

「思考の整理学」は論文や文章を書こうとしている人のアイデアの出し方、そして練りたい人向け。考えること自体についての言及をしているので、コンテンツを作りたい人やブログを書こうとか思っている方にも良いかもしれない。
(ちなみに文章の書き方自体は、井上ひさし先生の作文教室とかおすすめ。)

が何に驚いたって、「読みの整理学」(1983)「思考の整理学」(1986)と1980年代に書かれた本にも関わらず時代を感じさせないというか、むしろ最近読んだけど?みたいな内容のオンパレードなのだ。
ちなみに今読んで古いなと思うのはちょこっとだけ出てきた物価(具体的には寿司の値段。)とテレビへの言及はあるけれど当たり前ながらインターネット以前の時代に書かれているため、インターネットへの言及はないこと。ただしコンピューターへの言及はこの1、2年でAIが台頭してきていることを除くというあたりで3年程度前までの価値観とほぼ一致している。

私が気になったワード
【思考】セレンディピティ(この記事の初稿段階では見落としてたんだけど、他の本で出てきたので元ネタ「セレンディップの三人の王子」も読みつつふとAmazonで検索したらこの本に項目があると…で読み返したらあったのですよ。横文字覚えられなさすぎて困る。)
【思考】毎日25品目食べる健康法(ネットで見たのはミスジャパンのダイエット法だったけど割と最近この話読んだけど?)
【思考】ブレインストリーミング(そのものズバリ名前も出てきているけど社会人になってから知った。)
【思考】メタノート(この本がオリジナル?)
【読み】わかっても分からなくてもとりあえず通し読みをして繰り返す学習(平たくいうと。これも「読み〜」の大主張)

自分が知らなかったってだけで、アンテナを張っている人たちがかなり前から言ってた事柄って結構あるんだろうななんておもったりするんだよね。

このブログで要約を書いたところで真の理解にならないと思っていて、是非興味のある方は実際に本を手にとっていただきたいと思っているので、内容についてはあまりかかないのだけれども(おそらくベストセラーなので、内容自体を披露しているところも多いと思う。というか、そもそも冒頭に書いた通り、タイトルを変えて内容の一部を切り取った内容の薄いオマージュ本すら発行されている。だけど、それらを読んだところで、おそらく内容の10%も入ってこないと思う。そのあたりは、「読みの〜」を読むとなおさらそう思うのだけれども。)

要約を書いたところで、真の理解にならない理由は人間がそれほど抽象的なことを理解できるようにできてないってあたりがあって、要約をすれば要約するほど抽象的なことになるからで、本の厚さの9割は具体例だったりするからだったりするのだよね。
(理解だとかなんとかも含めた例外的な本として、数々のスモーカーを禁煙させた「禁煙セラピー(アレン・カー)」という本があるのだけれども、あの本暗示だか催眠術だかの手法を使用してるので書いてあること自体がそれほど論理的にはもやっとしまくるという…。それの受け売りサイトってのを禁煙中みかけたけど、受け売りサイト読んでもなんの効果もないでしょ。そもそも論理的な本じゃない。ただ、確かにあの本を読んで3カ月禁煙できたんだよね)

この2冊を読んでいただくと、最近のアイデアの出し方だの勉強法だの10冊分以上の元ネタが詰まっているので、時間とお金の節約になるのではないかななんて思ったりする。

ただ「思考の〜」は電子書籍版売られてるけど、「読みの〜」は紙の本しかないんだよなぁ。

道野まどか
デジタル化した積ん読、翻訳書も多くてそちらを先に読んでいたのだけれども、外山先生や井上ひさし先生などの日本語がちゃんとしたという言い方は変だけれども、きっちりと書かれた本を読んでいると自分の文章、もっとちゃんと書かないといけないななんて思っちゃうよね。

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