本レビュー「お金2.0 新しい経済のルールと生き方 佐藤航太:NewsPicks Book」

本レビュー「お金2.0 新しい経済のルールと生き方 佐藤航太:NewsPicks Book」

お金とはなんなのか?価値とはなんなのか?そして、これからの価値の指標となるのは?というあたりに迫った1冊

電車の中吊りというか、窓の横の広告に貼ってある本に弱い、道野まどかです。
これがまた、電子書籍でポチってしたら本屋まで行かずに電車の中で買って読めちゃうんだよね。ということで、割と買っちゃってる(笑)

ということで、まんまと買ってしまったわけですが、なかなか良い内容でした。

平たくいうと、今まで、中央で作られていたお金の価値がどんどんさがり、中央で縛られない新たな制度「ビットコイン」や、人気など時間などを指標とした新たな「トークン」に差し変わる時代が来るんじゃないか?というお話なわけですが、なんとなくぼんやり思っていたことが明確に書いてあってなかなかおもしろかった。

未来の

こういった本の内容は要約をした記事ではなくて、実際に読んでみないことには内容を理解することはできないので、ぜひ一読をお勧めするのだけれども、世界のお金の9割は投資などの金で金を増やす手法によって投資運用されていて、実体のある経済から切り離されているため、お金の価値がどんどん下がっているんだとか。
とはいえ、現状「円」や「ドル」などの、中央が管理する「お金」を基準にしていく限り「儲かるのか?/儲からないのか?」を基準に物を作り、ビジネスしていかなければいけない。

お金が稼げないということは「無価値」と等しいからだ。
しかし、AIが発達して人が働かなくても良い時代が到来したとき、「内面的な価値」おもしろいとか、共感できることなどの感情的な価値に軸を移していく「新たなトークン」を創造していくことによって、商業的に何かをしている人よりも情熱で何かをしている人への新しい価値の創造ができるのではないかという内容だった。

おそらくサラリーマン的な働き方だけをして、サラリーだけをもらっている時代はピンとこなかったし、ピンとこない人が多いだろうなとおもうのだけれども、自分で仕事をとってきて、お金を直接もらうって体験をしてみると、おそらくなのだけれども、このあたりがもっとわかるのかもしれないなんて思う。ただね、やっぱりご飯が満足に食べれるだけ稼げないとおこづかい稼ぎの範疇を出ないのは確かなのけれども。

今見返したら、2007年作成でもう10年前も前なのか!という感じだけれども、Zeitgeistなんかを一緒にみると理解がふかまりそうな。(2時間もある超大作ムービーなんだけれども)

本当に現状のお金の価値が没するとき、それはある意味では本当の意味の範疇での革命なのだけれども、現在の権力者はそれに屈するのだろうか?というあたりも含めて、上記の動画と一緒にみてもらえるとおもしろいかもしれないなんて思うんだよね。

基本的には支配についてのビデオなのだけれども、第1部が宗教からの支配、第2部が恐怖での管理、第3部が中央銀行からの支配なんだよね。
今、再度見ながら書いているのだけれども、確かお金こそが現代の「支配の王笏(おうしゃく)」という内容だったと思う。
個人的に思うのは、現代社会は、お金をシステム化することによって共同体の分断に成功したのかもしれない。(特に都市部は)
いざというときに助け合える共同体構築と、そこで通用する通貨を作っておくことは、もしかしたら保険としても良いのかもしれないと思う。

中央銀行(日本でいうならば日本銀行)が破綻することがあるかはわからないけれども、長く続く低金利の中で、安泰だと思われていた都銀のリストラが多く敢行されているというあたりを考えると、本当にお金の時代は終わりつつあるのかもしれないと思う。ただし、なぜか政府主導で投資の方へとお金の流れを誘導している機運はどういったことなのかは冷静に見極める必要があるかもしれないと思う。
もともと江戸時代では、先物取引とほぼ同じシステムの投資をしていたりして、それほど投資をしない民族ではなかったのだけれども、太平洋戦争での敗戦処理のために政府が貯金を推奨して「貯金こそが美徳」みたいな風潮になったという過去があるんだよね。その貯金されたお金は国債へと代わり、政府が使うことになった。
よく、日本は借金だらけなんて話がでてくるのだけれども、それで破綻するか?しないか?というあたりで意見が分かれる理由は、借金=発行された国債のほとんどはその日本人が銀行へ預けていた貯金で買われているため、日本が借金している相手は外国ではなくて、日本人自身であるから結局日本国民がちょっとづつ痛い思いをするだけで結局破綻しないなんていう話らしく。
日本が破綻してしまうのは困るけれど、どこの馬の骨だかわからない外国の投資家に借りるよりは自己菅家結してるのって重要と思うんだよね。

お金自体は、あくまでも他人と自分が何かを「お手伝い」したときに価値を交換するものだということを認識しつつ、周りとの共同体をうまく構築していくこと自体が、未来へのリスクヘッジとなるかもしれないななんて思ったのでした。

道野まどか
やばい、もっと軽めのブログのつもりが結構語ってしまった(てへぺろ)

本レビューカテゴリの最新記事